最近のTwitter(X)を使っていると、投稿に対して妙に的外れで当たり障りのないリプライが来ることが増えた。「なるほど、面白いですね!ところであなたはどう思いますか?」——そういった**スロップ(slop)**と呼ばれるAI生成の薄いコメントだ。Simon Willisonが今回指摘したのは、こういったbotを生み出すソフトウェア群に、業界内でちゃんとした名前がついているという事実である。その名も 「reply guy tools(リプライガイツール)」。
仕組みは単純だ。LLMを使って他ユーザーのツイートに対し、汎用的な称賛コメント+エンゲージメント誘導の質問を自動生成してリプライする。目的はアカウントの「存在感」を高め、フォロワーやインプレッションを稼ぐことだ。技術的には難しくない——プロンプトエンジニアリングとAPI呼び出しを少し組み合わせるだけで誰でも作れてしまう。それがこのツールの最も恐ろしい点でもある。
AIが「時間泥棒」のインフラになっているという現実は、AI倫理の観点から見ても重要な問題提起だ。LLMの応用が「人の役に立つ」方向ではなく「人の注意を搾取する」方向に使われるケースが増えている。Willisonが「Amazing.」と一言で締めくくる皮肉な筆致に、この問題の根深さへの呆れと怒りが滲んでいる。「reply guy tools」という命名が広まること自体、このジャンルへの批判的認識が高まっているサインとも言える。短いノートだが、AIのダークサイドをシャープに切り取った一刺しとして読む価値がある。